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大阪高等裁判所 平成11年(行コ)111号 判決 2000年12月12日

主文

一  本件控訴を棄却する。

二  控訴費用は控訴人らの負担とする。

事実及び理由

第一控訴の趣旨

一  原判決を取り消す。

二  控訴人ら

1  主位的請求

被控訴人京都市長が株式会社せんだんに対し、平成八年四月四日付けでした建築基準法四二条一項三号の道路(京都市α二番地の二四 宅地二〇二八・二九平方メートルのうち原判決別紙住宅地図の赤線で囲まれた部分。以下「本件道路」という。)の廃止処分(以下「本件道路廃止処分」という。)が無効であることを確認する。

2  予備的請求

被控訴人京都市長が株式会社せんだんに対し、平成八年四月四日付けでした本件道路の廃止処分を取り消す。

三  控訴人A

被控訴人京都市建築主事が控訴人Aに対し、平成八年五月二八日付けでした建築基準法六条四項の規定による建築基準関係規定に適合しない旨の処分(以下「本件不適合処分」という。)を取り消す。

四  訴訟費用は、第一、二審とも、被控訴人らの負担とする。

第二事案の概要

原判決の「第二 事案の概要」記載のとおりであるから、控訴人らに関する部分を引用する。ただし、次のとおり補正する。

一  原判決五頁六行目の「本件道路」から同八行目の「二三・一八メートル、」までを「控訴人Bから、本件道路に面した京都市α二番の二一の土地(以下「二番の二一の土地」という。)のうち原判決別紙A借地図面記載の土地(」と、同八頁一行目の「同会社」を「せんだん」と同二行目の「平成八年ころ」を「平成八年二月二二日に」とそれぞれ改める。

二  同一二頁七行目から八行目にかけての「別紙当事者目録原告番号二五から三九までの原告らの」を「本判決別紙当事者目録記載の控訴人Cから同Dまでの一〇名の」と、同九行目の「原告番号一から二四までの原告らの」を「記載の控訴人Eから同Fまでの二一名の」とそれぞれ改める。

第三争点に対する判断

当裁判所も、控訴人A、同Bの各請求は理由がなく、その余の控訴人らの訴えは当事者適格を有しないから却下されるべきであると判断するが、その理由は、原判決の「第三 争点に対する判断」記載のとおりであるから、控訴人らに関する部分を引用する。ただし次のとおり補正する。

一  原判決二四頁一行目の「主張する。」を「主張し、そのような見解を取る自治体もある(甲三九ないし四三の各1、2)。」と改める。

二  同二五頁九行目の次に行を変えて、次項を加える。

「控訴人らは、控訴人B、同Gが営む株式会社吉澤商店のトラックが取扱商品のセメントを、二番の二一の土地上にある同会社の倉庫に搬入するには本件道路が必要不可欠であり、本件道路が廃止されると右倉庫へ商品を搬入することは不可能となる、また倉庫北側の屋外でトラックから商品を降ろすことは、雨天の場合が対応できない、その結果、同会社は、建物を改造して南側の上押小路通の方に倉庫を新築せざるを得ない状況に至り、同会社の被る損害は莫大なものとなる。したがって、本件道路の廃止は許されないとも主張し、右主張に沿う甲四五、四六、四七の1、2を提出する。

しかし、甲八、一六、一七によれば、右会社の倉庫北側には南側が北側より僅かに狭くなった台形の空地があり、その広さは、本件道路に面した部分が一三・六八メートル、南北の幅が約七・七メートルであり、東北の角は隅きりがあること、控訴人Gは、京都市建築審査会に対する審査請求事件において、控訴人Aに右空地の西側寄りの五〇・三三平方メートルを賃貸して建物を建築させる場合は、トラックの出入りのために右空地部分東側の塀を撤去すると陳述していることが認められる。右認定事実によれば、右会社は、東側の塀を撤去すれば、隅きりがあるので、二番の二一の土地の東側通路を利用することにより、右空地ないし倉庫にトラックを出入りさせることは十分可能であると推認され、空地に屋根を設置することにより雨天の場合も対応できるということができ、控訴人らの前記主張も採用できない。」

三  同二七頁四行目の次に行を変えて、次項を加える。

「控訴人らは、他の自治体では、廃止される道路に接する土地の所有者を含めていると主張し、甲四〇ないし四三の各1、2は右主張に沿っている。しかし、乙一八ないし二五、二六の1、2、二七ないし三〇(控訴人ら及び被控訴人らの調査結果)によれば、廃止道路に沿接する土地の所有者の同意を求める自治体でも、大阪市だけは、大阪市建築基準法施行細則において沿接土地所有者の同意を要求しているが、その他の自治体では、沿接土地所有者の同意を要求するものの、京都市と同様に行政指導として求めているにすぎず、福岡市は明文の規定はないが、解釈上、同意を要求しているものであることが認められ、京都市の取扱いが、必ずしも不当であるとは認められない。」

四  同二七頁五行目の「本件道路廃止処分は、」から同六行目の「なされているところ、」までを「本件道路には控訴人B所有の二番の二一の土地が含まれているから、本件道路廃止処分は、当然に右二番の二一の土地を含めて廃止処分がなされたことになるが、右処分は」と改め、同八行目の「しかし、」の次に「仮に本件道路に二番の二一の土地が含まれているとしても、」を、同二八頁一行目の「その所有にかかる」の次に「二番の二四の」をそれぞれ加える。

第四結論

以上の次第で、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとし、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 松尾政行 裁判官 熊谷絢子 裁判官 坂倉充信)

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